第186話 魔法指導3
サラは、フェルールに≪種火≫の発動をして貰うが、この程度であっても大きな杖を使用して詠唱するフェルールであった。
そこで、属性魔法の発動では
・必要となる魔力量を体内から集める
・放出した魔力を火属性に変換する
・火を生成する
という3工程であることを認識して貰う。その認識の上で何度も発動して、各工程の違いを体感させる。
その上で、魔法発動にはイメージが重要であることを説明して≪水生成≫の見本を見せる。その際、サラは発動体の短剣を鞘に収まったままでも握るのは、貴族の前では問題になると考えて、発動体は無だが一応詠唱して実施している。
そして≪水生成≫を実施させてみる。やはり最初から上手くは行かず、次は第2工程のときに水の触媒を使用することで、水属性に魔力を変えることを容易にさせてみる。そうすると、何となくの霧のようなものができる。水の触媒を使用しての発動練習を複数回実施すると、小指の半分ほどの水ができた。次に触媒を無にしての発動も繰り返し練習させるとできるようになった。
「これで水魔術の触りを習得されました。後は訓練をお願いします」
とサラが伝えて本日は終了に帰ろうとすると、セドリックの驚いた顔が印象的であった。
「おまけですが、大きな杖ではなく、肘から先程のワンドぐらいの杖か指輪程度のあまり強力ではない発動体を使用することでの訓練もおすすめです」
とセドリックに明朝の集合までに用意するよう伝えて別れる。
サラ自身も、トラブル回避のために魔剣以外の発動体の必要性を感じ、かさばらなく人前でも疑問を持たれない指輪の発動体を探すことにした。先日のリリーを踏まえて、カーヤの母親作成の飾りがなくシンプルな指輪を入手してから魔道具屋に作成して貰う。
翌日からは貴族パーティーと合流するため、夜に余計なことはできないため、魔法回復薬作成など宿でかなり多めに実施しておく。また基本的には宿のみでの練習である悪魔魔法や精霊シルビー召喚などもしておく。
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