第207話 山岳階層
カーヤの実家に行き、銅鉱石と銅インゴットを取り出す。
ハリーは折角採掘も学び出したので、鍛冶も、と言ってカーヤの父に師事をお願いする。
カーヤは冒険者ギルドに行き、投石の武技を習いに行くと、既に実施した魔力を込めて投げる≪強固≫が初級であり、中級の≪連投≫の基礎を学ぶことになった。
同様に、リリーは弓の上級≪遠射≫の触りを学んでくる。
サラは、カーヤにも伝えた悪魔魔法を今後は習熟するため、≪呪詛≫の復習をしていた。
今回は10日以上もダンジョンに籠っていたため翌日も自由行動にしていたが、相談した結果、ハリーは鍛冶修業であるが、残り3人は敵を相手にした訓練をしたいとなり、21階に潜って白猿を相手に、投石≪連投≫、弓≪遠射≫、悪魔魔法≪呪詛≫を実戦練習するのであった。坑道と違い青空の下であるので、精神的な負担も少なかったので良しとすればいいのであろう。
その翌日、4人はカーヤの父に手入れして貰った武具を持ち、消耗品の補充もした上で、24階の山岳地帯の探索に臨む。
カーヤが自慢げに見せて来たのは、手で投げるのにちょうどの大きさの鉄球であった。鍛冶技能で作って来たとのことであった。さすがに弓矢ほどの飛距離は無いが、当たったときの威力はかなりなものになると想像される。
この山岳地帯、出現する魔物はロック鳥とのことであった。坑道とは違い、斜めに歩けると思っていても、草原のように思ったところを通れるわけでなく、急峻な山や谷は避けるため、地図で見るよりも思ったより時間がかかる行程になる。
斜面の細い通路においてもロック鳥は襲ってくるため、足場を踏み外さないように気を付ける必要はあったが、体が大きいため空を飛んでいても狙いはつけることはできる。カーヤも、取りに行けない場所の場合にはそのあたりの石ころを使い、回収可能なところでは鉄球を使うようにしていた。リターンの付与が欲しいと思うところであった。
リリーはちょうど風魔法≪必中≫と組み合わせての≪遠射≫の訓練にふさわしく、ハリーも≪飛斬≫の習熟に、サラも悪魔魔法≪呪詛≫の同時発動の訓練を行った。リリーはリターン等が付与された矢を手に入れていたので、羽根素材はもう重要でなかったが、谷底に落ちて行くロック鳥から魔石等が入手できないのは残念であった。
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