第557話 サラ16歳

仲間が増えそれぞれの訓練も進め出した頃、サラが16歳の誕生日を迎え、仲間たちからの直接のお祝いだけでなく、師匠エミリーからもお祝いの手紙が届く。


また、魔術学校の同級生であったフェルール・ド・ヴェシン伯爵令嬢、ディアリス・メーヌ男爵令嬢、アリアンヌ・ガニー騎士爵令嬢の3人もお祝いに来てくれる。

同じく同級生であったリリーと5人で、ケーキや紅茶を楽しむ。

「サラ様、お誕生日おめでとうございます」

「ありがとうございます。皆様もお変わりなく」

「あら、お変わりがあった方もいらっしゃいますよ」

「え?」

「フェルール様のご結婚がお決まりになったそうで」

「はい。でも、ディアリス様もアリアンヌ様もですよね?」

「あら、さすが良くご存知ですね」

と、サラとリリー以外の貴族令嬢3人は結婚が決まった話をする。


フェルール達は生まれたときから貴族令嬢として恋愛結婚は無いと育てられていたのだが、サラの指導も受けて成長した魔法能力を見込まれて、想定以上の相手に嫁ぐことになって家族は喜んでくれている、との話であった。

例えば、フェルールは侯爵令息に嫁ぐことになったらしく、生まれてくる子供にフェルールが魔法の手ほどきをすることを期待されたらしい。


「サラ様が指導してくださったことだけでなく、帝国戦で活躍されたので魔法使いへの期待、価値があがったこともサラ様のお陰ですわ。本当にありがとうございます」

と言われるサラであった。


誕生日祝いのはずが友人たちの結婚祝いの話になってしまったことを振り返るサラとリリーに、お2人も引き続きご検討を、とローゼットがささやくのであった。

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