第647話 開拓打ち上げ
アルテーラ王国から帰国して開拓地の再整備を行い3ヶ月が過ぎて目途が付いた頃に、家臣団を代官地のサラの別宅に集めて打ち上げパーティーを行うことになった。
家宰ローデットの発案であり、ちょうどサラの誕生日にもなる時期であるからである。
師匠エミリーや王都の隣人カーラなどにも声をかけて盛大な屋外パーティーになった。
当然に他の貴族や商人たちも参加希望があったが、面倒で切りが無いのですべて辞退して内々だけということにした。
南西角の一つ北側の区画が完了したところであり、新しい住居に引っ越したばかりの家臣たちは、これからますます開拓地を広げて行くことも踏まえて晴れ晴れとした顔をしていた。
それから南西角の開発が終わったとき、前に比べて慣れたのと日雇いで参加希望の職人が増えたことから時間も短縮して2.5ヶ月ほどで完了したときにも、再度打ち上げパーティーを行った。このときには、ミーナをはじめとする特に若い奴隷たち、誕生日が不明であったのをこの時期に決めた子たちが一斉に1つ歳を取ることになったので、それも合わせてのお祝いパーティーになった。
お酒も入り砕けた場になっているところで、アルバジルが相談に来た。
「開発時やその後の住民が増えるときの警備で増員したり、騎士隊も手伝ってくれていたりするのですが、やはり人手不足です。できれば、ダンジョンに潜って訓練がてらの小遣い稼ぎも継続させてあげたいので、さらなる増員をお願いできないでしょうか?」
同じく代官地で訓練している第1騎士隊長のルーカイと第2騎士隊長のミリアーノにも来て貰い、他にも環境が大きく変わったことによる要望を聞いてみた。
「そうですね、やはり人が増えるとどうしてもいざこざが起こるのと、見通しが良くて遠くまで見えていたのが、石壁や家屋が増えて見えなくなったことから、さらなる増員が必要かと思います。せっかくの石壁の塔や門のところにあまり人を割けていない現状もありますので」
「さらには、隊員が増えると、その食事などの世話をできる人も増やして貰えると助かります。今は宿舎の方の使用人は頂けましたが、門脇の詰め所や今後衛兵を配置するならば塔にも欲しくなると思われます」
早速、アルテーラ王国の王都ゴルガとバスキの奴隷商で、犯罪奴隷で護衛隊にする男20人と、使用人にする女20人を追加購入して代官地に配置することにした。
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