第153話 古代謁見室
城の手前、貴族の屋敷跡と思われる建物で野営するサラたち3人。遺跡の建物それぞれは崩れかけではあるが、壁などがすべて残っている部屋を探す。そこで、魔法の袋から取り出した魔鼠と蝙蝠の骨に死霊魔法≪骸骨≫を用いて見張りに追加する。夕食の後、武器の手入れや魔法訓練など定常行程を終わられた後、3人は3交代で見張りをして夜を明かす。
何事も無く朝になり、骸骨を袋にしまった後、朝食の後に城に向かう。地図では下階への階段は城のほぼ真ん中にあることになっており、地下室か謁見室のどちらかにあると想定する。購入した地図には城の詳細な見取り図まではなく、試してみるしかない。
「普通は地下室じゃないのか?」
「謁見室の玉座の後ろってのもあり得るでしょ」
「最悪、両方確認すればよい」
ということで、まずは謁見室を確認することにした。降りてみた地下室が違ったときに、登るのは気持ちが辛いという理由からである。
途中で遭遇するスケルトンには、ときどきスケルトンソルジャーも混ざるが、今の3人の敵ではなく、すぐに倒されて魔石と武器のみ回収して進んでいく。
謁見室と思われる部屋にも数体のスケルトンは居たが、難なく片付けて玉座の後ろを捜索する。風魔法により隠し部屋を発見し壁を開けた後、慎重に中に入る。
元々は隠し宝物庫であったのか、何も載っていない棚板が壁一面にある。部屋の突き当りに、蓋の閉じられた宝箱が置いてあった。
3人は冒険譚や先輩の話で宝箱についての知識はあるものの、今までのダンジョンでは宝箱らしいものは見たことが無かった。このダンジョンはやはり侵入者を呼ぶためのエサである宝箱を意図して配置しているのではないかと実感する。
「やったじゃないか、宝箱だぞ!」
「罠や魔物かもしれないよ」
「離れて遠くから確認しよう」
もし罠だった場合を踏まえて、宝箱の正面には立たず、リリーの槍で遠くから鍵を壊して蓋を開けることを考えた。
結果、心配するほどのことはなく施錠もされていなく、更には宝箱の中身は空であった。
地図も販売されていたように、ダンジョン改変から日にちもたっていることから、既に誰かに中身を取られたのだと思われる。
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