第931話 侯爵領赴任準備

結婚披露パーティー自体も無事に終え、登城しての宰相などへお礼参りも終えたサラたちは本格的に侯爵領への赴任に動き出す。


以前にローデットに示された運営方針に従って準備を進めている。

最初に領地の地図製作を含めた現状把握からである。


領都の名前はドラセールにすることにした。侯爵領にはそれ以外の街が5、村が28あるようである。

領主代行から引き継いだ地図でもそれなりの精度であったが、≪転移≫ができるメンバで天使マルカルロの助けも貰って、正確な地図をつくっていくなかで、まずは領都、街、村の位置関係を把握した。

4月に赴任して際には各地を≪転移≫で巡るためである。


各地をまわる際には、土木関係も含めた住民要望を確認すること、怪我人や病人の治療もあわせて行い新領主への心証を良くしておくこと、感謝の向かい先として各精霊や知識・魔法の女神のミネルバと天使マルカルロの祠も設置する場所を相談すること等、実施することもリストアップしてある。


また着任早々は領都で領軍の閲兵式も行う予定である。

領軍はターフルダ侯爵が力を入れて領都に集めていたため数だけは多い。さすがに何かと帝国と戦争が起きる国境を任されるヴァーヴ侯爵領ほどではないが、3,000人程の常設軍である。何かがあった時に領民から徴集する兵士数ではない、日頃から戦闘訓練等のみを行う職業軍人の数である。ただ、騎兵は500人程いるが、魔法使いは10人程しか居ないらしい。

一時はターフルダ侯爵が領都に領軍を集めたため、領内で魔物が増えた経緯があったが、領主代行に代わってからは領軍のうち1,000人を5つの街に配置して各村への巡回も行っているとのことである。派遣された隊員には、各拠点を≪転移≫で巡回する際にあうことになるのであろう。

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