第953話 オーク氾濫解決
「ぜひとも我々にもリザードマンの村の攻略をご命令ください」
ゴブリン村の殲滅を終えた領軍の幹部がハリーに直訴してくる。
「とは言っても、リザードマンはCランクだからな。同じCランク龍牙兵を相手に全く敵わなかった者たちが多いだろう?」
「はい、2,000名すべてを攻略にというのは危険と認識しております。最低限の能力がある者には許可いただけないでしょうか」
「もともと冒険者業務を中心に訓練していた特別部隊は、ゴブリン村の殲滅も危なげさは無く、大丈夫だろう。他の班員では、銅級以上になれている者だけ許可しよう」
「Cランクのリザードマンと1対1でも大丈夫という基準ですね。ありがとうございます!」
「しかし互いになれない連携相手になる。過剰なぐらいの人数で一つの村にあたるように。これは絶対だ」
「は、かしこまりました」
やはり領軍はまだまだ武技の訓練も不十分であり銅級以上は2,000人の中でも2割も居なかった。そこで、残りのほとんどは人間の村への護衛として、長い陣地を構築することにした。どこにダンジョンがあるか不明なため、非効率ではあっても人海戦術である。
限られた領軍が少しずつリザードマン村を攻略始めたころ、サラたちはリザードマン村の点在する中心の上空に居る。
「この辺りだと思うんだけど。そうだ、シルビー、手伝ってくれない」
「何をするんだ?」
「この辺り、沼地だから水はたくさんあるわよね。≪洪水≫で水浸しにしようかと」
「ほぉ面白い」
サラは水精霊シルビーと力を合わせて≪洪水≫で近隣を湖のようにする。
「あ、あそこよ!」
すると大きな空気泡が連続して湧き上がってくる場所が見つかったので、水を引かせる。
それほど大きくない岩場であったが、その隙間がダンジョンの入口なんだと思われる。
そうこうしているうちに、オーク村の殲滅を任されていたヘエル達から完了の連絡が入る。
「サラ様、お願いです。ドラゴンを止めてください。我々まで巻き添えを受けそうです」
急いでドンのところまで≪転移≫して、次はリザードマン村の殲滅を指示するが、オークほど美味しくないからか、少し勢いがさがってしまったようである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます