第822話 【あまみん☆=バスターDDF】
「どうぞ」
ポニーから手渡された刀を手にった私は打ち直された刀身の美しさに思わず息を呑み込みました。
(凄い!! 手に取っただけで分かるほどの輝きと性能!! きっとこの世に同じ物は二つとないでしょうね...)
こんな時だと言うのに彼女が本当にいい仕事をしてくれた事に感謝する。
「ありがとうポニー」
「いえ、本物のケロナお姉様とこうして出会えた事に私は感謝しています」
「そのお姉様って言うのやめない?」
「いえ、エリーゼお姉様との約束なのでそれは了承できません」
エリーゼ以外の人物にお姉様などと呼ばれるとなんか調子狂うのだが仕方ない。
「分かった、ポニーはそれで良いよ、ところで本物の私と会えたって言うからには【次元龍】の奴はどうなったんだ?」
そう私が聞くと彼女はファウストを指さしました。
「ふ〜ん...なるほどねぇ...、あいつの中に【次元龍】がいるのね」
「はい、それに【大帝】も奴が吸収してしまいました、ですがお姉様の刀である【あまみん☆=バスター
「【大帝】の涙? 一体どうやってそんな物を入手したんだ?」
「それは...」
「僕が恵んであげたのさ」
ファウストが横から口を入れてくる。
「正直に言おう、今の僕ならケロナを倒すのは簡単だ、しかし相手が弱いと面白くないだろう? 戦いって言うのは力が拮抗した時が1番面白いんだ、その刀はいわゆる僕からのプレゼントだと思ってくれて構わない」
「敵に塩を送るのか?」
「それは誤解だ、僕は君のことを
「...」
私は彼の瞳を覗き込む。
確かに彼は私の事を敵だとすら思っていないようだ。
「じゃあなんでプレゼントを与えてまで私と戦おうとしているの?」
「それは...、分かるだろう? 君は今まで限界を迎えると更なる強さを発揮してきた、それもレベルの補正に頼らず自身の力量のみでだ」
「何が言いたい?」
「分からないか? この状況はきみからすれば僕を倒す最後のチャンスと言えるだろう? そして僕は君から学ぶ最後のチャンスだ、お互いにリスクとリターンを得る為にこの場を設けたと言わせて貰おう」
こいつ正気なのか? わざわざ私が強くなるかもしれないと分かった上でこの勝負を仕掛けてきていると公言しているようなものだぞ?
しかし、ここは奴の言うとおりこれ以上こいつに強くなられたらどの道アウトだ、今はこの新しい刀の力を信じるしかないな。
私はポニーから譲り受けた新しい刀を握りしめながら、最後の戦いにへと身を投じるのでした。
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