第825話 最後の戦い③
息が上がる...。
激しい攻防の数々に私の体力が凄まじい勢いで削られているからだろう。
今のアポロ(ファウスト)は私と戦う事以外に価値を見出していないようで【大帝城】がどれだけ壊れようとも極大魔法を扱うのをやめません。
「【
そう彼が叫ぶと巨大な氷塊が私に向かって落ちてきました。
まるで山のような大きさの塊を見た私は回避を優先しようとしましたが...。
「きゃぁぁぁ!!!!」
ポニーの叫び声で我に返る。
「ポニー!!」
いや、ポニーだけではない、磔にされている皆の事も考えるとこの攻撃を躱す事はできないのです。
「...一か八か!」
私は【あまみん☆=バスターDDF】に魔力を込めて斬撃力を上げる!
(あんな大きな物を切った事ないけど...、【次元龍】の鱗よりかは柔らかいはず!!!)
水の刃に雷の貫通力、さらに砂鉄と氷のコラボによる一撃に山のように大きな氷塊を斬り裂く事に成功した。
ズガガガガン!!! と大きな音を立てて崩れ去って行く氷塊の残骸が地上に落ちる中、私は背後に忍び寄る彼の接近に気がつかなかった!
優しく背中に手を当ててきた彼は静かに【
「なっ...!!!」
彼の言葉と共に想像を絶する爆発が私の全身を包み込んだ!!
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私の魔力でも耐え切れないほどの威力に悶絶の声を上げてしまう私!!!
ボロボロになった体のまま崩れゆく【大帝城】の地上部分に打ち付けられる。
「あっ...ぐぅ...」
予想以上のダメージに私は膝をつきながら肩で息をする。
全身が痛んでなかなか立ち上がれない。
氷と炎、そして砂鉄の混じった翼で地上に降りてくる彼の姿はまさしく【帝王】その者だ。
(強い...! 今のアポロは私が戦ってきたどの敵よりも強い気がする...!)
...いや違うな。
私は「ははっ」と静かに笑っていた。
「何がおかしい?」
私の笑い声が不快だと言うようにそう呟く彼。
そんな彼に私は言ってあげた。
「いや...、今まで気づかない間に私は他人の力を沢山使ってきたんだなって思ってさ」
「...ああ、【次元龍】様の力をか? これだけ強大な力だ、【帝王】でもない君が体内に留めていただけでもすごい事だと僕は思うけどな」
「それだけじゃないさ...」
「なに?」
「サラやレイナ、エリーゼにプラル、ミカにミルシュ、そしてこの刀を作ってくれたポニー...、一応キィアもだけどさ、私の力って本当は私個人の力じゃないんだよね」
「なにを言っている? 君の力は君自身が長い戦歴の中で築き上げてきた君だけの力だろう?」
そんな事を言ってくる彼に私は笑みを浮かべる。
「違うよ、私の力は
明らか部態度の代わる私に彼は違和感を覚えたのか渋い顔をしていた。
「ケロナ? さっきから君は何を言っているんだ?」
「...この戦いを通じて
「次元が繋がった?」
「ええ、この世界とどこか別の世界が繋がった、それはきっと私と縁の深い次元...、そうでしょ?
その名前と共に上空から巨大な黒龍が
空をまるでガラス細工の鏡のように砕きながら降り立ったのだ!!!
「なっ...! この魔力の波動は...【
その黒龍の姿を見たアポロは絶句しているようなのでした。
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