第826話 私の【真名】...
「【次元龍】? それは貴方でしょう?」
空から次元割いて現れた黒龍であるリュアがそう答える。
「そ...それはそうですが...、その魔力の感じはどう考えても【次元龍】様の物!! 貴女は一体...」
動揺しているアポロ(ファウスト)にリュアは答えを返す。
「私はリュア=ふぉ〜しゅん☆ !! 魔王アリカ=ふぉ〜しゅん☆ の妻である!!!」
「魔王アリカ=ふぉ〜しゅん☆ だと!? まさかお前が別の次元で【次元龍】様を解体したと言われているドラゴンなのか!?」
「...確かに私は【次元龍】を解体しました...が、それは私だけの力ではありません、夫アリカ=ふぉ〜しゅん☆ やそこにいるケロナ=あまみん☆ の活躍により勝利を収めることが出来たのです」
勝手に私の真名を呼ぶ彼女に少しだけイラつく。
「リュア、あまみん☆ って呼ばないでっていつも言ってるでしょ?」
「...別にいいでしょう? 貴女は私達を守る家族の1人なのですから...」
「それにその喋り方、似合ってないからやめなよ、性欲モンスターのあなたがそんな王族風の言葉で喋っても気持ち悪いだけだからさ」
「王族風って...、今の私はれっきとした王族です!」
「はいはい、そういうの良いから」
そんな私とリュアのやりとりにアポロが茶々を入れてくる。
「...ふん、まあ良い、敵が2人に増えただけだろう? 今の僕の力ならドラゴンが1匹増えたくらいで勝利は揺るがない」
確かに彼のいう通りでしょう。
ただリュアが加勢に来てくれただけなのであれば恐らく勝利は無かったと思われます。
「リュア、あっちの世界とこっちの世界はいま繋がっているんだよな?」
「ええ、でもお相手も強そうですし手を貸しましょうか?」
「いや、いい、一応私はあんたとアリカを守るために生まれてきた兵士だからね、女王を戦線で戦わせる訳にはいかないさ」
「...
そう言って一歩下がるリュアに笑い声をあげるアポロ(ファウスト)。
「なんだ? ただ次元の壁を突き破って現れただけか? そんなんじゃあこの状況は変えられないぞ」
「...今に分かるさ」
私はそう呟くと刀を彼に向け直すのでした。
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