第824話 最後の戦い②

「【蒼極】!!」


 そう叫ぶ私の姿にアポロ(ファウスト)はニヤリと笑う。


「ようやく本気で戦えるな、蛙の戦士よ!」


「...」


 私の正体を知っていて黙っていたのでしょうか?


 彼が私の事を蛙の戦士と言ったと言うことは蛙人の事も知っているはずですからね。


 彼は満面の笑みで魔力を解放し、周りを灼熱地獄と極寒の大地と化しました。


 2つの極大環境を作り上げられてしまっては私の活動能力も半減以下になってしまう所を【蒼極】の力を【あまみん☆=バスターDDF】が増幅させてくれたお陰でどうにか戦える程度の土台を作ることに成功しました。


(...うん! これなら戦える!!)


 私の体の周りに蒼いエネルギーが迸り、それらが過酷な環境下でも生きていけるようにしてくれているのです。


 しかし、これだけ大量のエネルギーを放出しっぱなしなので短期決戦をしいられてしまうでしょう。


 私はゴクリと息を飲みながら目の前に存在している強敵に接近しました!


「【蛙伝雷速】!!」


 私は全力の速度とパワーでアポロ(ファウスト)を殺しにかかる!!!


 本気の殺意をむき出しにしながら私は一撃を振るう!


「【氷塊の監獄】!!」


 接近する私に彼は氷塊でできた監獄を作り上げる!


 一瞬にして大規模な氷の檻が出来上がるのだが...。


「効かん!!」


 私は電気の出力を上げ【あまみん☆=バスターDDF】に残されている砂鉄の力を引き出して氷塊の檻を次々に壊して行きます!


 その様子を見ていた彼は口笛を吹きながら言いました。


「ひゅ〜! 流石ケロナだ! 砂鉄の扱いが上手い上手い!」


 私は少ない量の砂鉄でも氷塊の柔らかい部分を見抜いて砕いていきます。


 ようやく彼の傍に近づき一撃を加えられると思った瞬間!


「【獄炎の炎蒼】!!」


 巨大な火の槍の数々が私に降り注いだ!!


「くそっ! 【ケロっとすぱいらる☆】!!」


 私は指をパチっと鳴らして獄炎の槍を全て鎮火しましたが、その間に奴は遠くに逃げていました。


「今のは危なかったな、だが次はどうする?」


 彼の素早い動きの数々になかなか接近できない私。


(魔法の詠唱速度が早すぎる、殆ど無詠唱かつ即時発動な物が多いな...)


 そんな魔法の嵐の中を私は今から掻い潜らなければならないのでした。

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