第353話 ケロナの待つ宿屋

 ギルドでやるべき事を終えた私達はケロナの泊まっている宿屋に向かいました。


「105番室の鍵を返してください」


 と私が宿屋の店主に声をかけたところ...。


「えっ...? その部屋は今空室になっているんですけど...、105番室に泊まりたいと言う希望ですか?」


「えっ? その部屋には青髪の子が泊まっているはずなのですが」


「あれっ? その子ならちょっと前に宿から出て行ったきり戻ってきませんでしたよ? ああ、そういえばそれで期限が過ぎたので105番室を空き部屋にしたのを忘れてました」


(ケロナがこの宿屋に戻っていない?)


「ちょっと詳しく話を聞かせて貰っても良いですか?」


 〜少女対談中〜


 ...。


 〜対談終了〜


 宿屋から出て私達はケロナを探す事にしました。


「宿屋の店主さんと話した結果、どうやらケロナは数日前に出かけたきり帰ってこなかったようですね」


「私達が【Sランク】の魔物を倒している間に、ケロナお姉様がどこに行ったのか探さなくてはいけませんね」


「とにかく、私はその辺りを探してみます、夕方くらいに落ち合いましょう!」


 そう言って私達は一度別れたのですが...。


「ケロナお姉ちゃんのことだからきっとその辺で水に浸かってるだけだよ」


 サラだけは余裕そうにそう呟いているのでした。

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