第705話 ライファー様への奉仕

【風帝のバスルーム】


 ちゃぷん...。


 赤い薔薇が湯船に浮かぶ豪勢なバスタブにて羽目を外しているライファー様が呟きました。


「ケロナちゃん、肩を揉んでちょうだい」


「はい、喜んで」


 私は思いっきり彼女の肩を揉み解したのですが...。


「ああ...♡ ケロナちゃんってやっぱり力が強いのね♡ とっても気持ち良いわ♡」


 凄く気持ちが良さそうにしているので、私はこう言いました。


「ライファー様がよろしければ肩に電気マッサージを行いますが、如何なさいますか?」


「電気マッサージねぇ...」


 彼女は相槌を打ちながら「頼むわ」と答えたので遠慮なく電撃を浴びせましょう。


「【ケロっとすぱ〜く☆】」


 私は遠慮なく肩に電撃をぶち当てたのですが、彼女の反応は以下のようなものでした。


 確かに高圧電流を直接肉体に当てているはずなのに、彼女はスッキリとした表情のままくつろいでいます。


(私の【ケロっとすぱ〜く☆】をこんな至近距離で受けていて平気だというの?)


 痛がる様子も全くないので少し不安になってきた時に彼女は言いました。


「ふぅ...、ちょうど良いわよ、続けてちょうだい」


「...はい」


 私はその後もしばらく電撃を浴びせ続けていたのですが、やはり成果はあげられませんでした。


 バスタブから勢いよく立ち上がった彼女は体を伸ばしながらこう言いました。


「うう〜ん...、気持ちよかったわよケロナちゃん♡ でも...ね」


 彼女は私の方を見てこう呟く。


「ちょっぴりだけどを感じたわ、アレはケロナちゃんが放っていたのかしら?」


 そう言われるとどうしようもない。


(疑われている? この場で戦っても勝ち目はないしどうすればいい?)


 何か妙案が無いものかと考えていると...。


 パキッ...というガラスが割れるような音が聞こえてくるのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る