第385話 サラの介護②

 〜夜〜


 就寝前になって来ると温いお湯を桶に入れたサラが部屋に入ってきました。


「ケロナお姉ちゃん、寝る前に身体を拭いてあげるね!」


 そう言いながら桶を地面に置くとエリーゼがバタンとドアを開いて入室してきます。


「ケロナお姉様!! お身体を拭くとあらばこの私エリーゼにお任せください!! 大丈夫です! 汗も汚れも全て私が取り払って差し上げますので、お姉様は衣服を脱いでじっとしているだけで...」


 そこまで言いかけるといつものようにレイナがエリーゼに【睡眠】の魔法をかけるのでした。


「zzz」


「はいはい、おさがわせしましたよ〜っと、プラルさんケロナの身体吹きが終わるまでの間、エリーゼさんを縄でグルグル巻きにしておいてくださいね」


「...分かりました」


 エリーゼのテンションを見ていたプラルは若干引きながらも彼女をグルグル巻きにしてくれました。


「うむ、よくやったレイナとエリーゼ」


 私も彼女達二人に感謝しながら連れて行かれるエリーゼを見ていましたが、幸せそうに寝息を立てているのでまあいいでしょう。


「...なんだったんだろう?」


 サラは不思議そうな表情のまま変わらないが、知らなくて良い事なので言わない私。


 妹がそっちの方向に目覚めないようにするのも姉である私の仕事だと思う私なのでした。

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