第384話 サラの介護

 私はあの後からサラの介護を受ける事になりました。


 まあ、介護とは言ってもある程度動ける私には必要ないんですけどね。


 しかし、やる気になっている妹のやる気を蔑ろにするのも悪い気がしたので一応やって貰っているのですが...。


「サラ、食事くらい自分で食べれるよ」


 と呟く私に対して「ダメ! お姉ちゃんは寝てて」と言いながら荒っぽく剥いたリンゴを私に食べさしてきます。


 形もバラバラでどう剥いたらこうなるんだ? と言いたくなるほど粗悪な物でしたが、妹の心使いが嬉しくて全部食べさしてもらいました。


「この辺にリンゴがあってよかったよ、私が風邪を引いたときにはいつもお姉ちゃんが取ってきてくれてたよね?」


「ええ、リンゴは消化吸収が良いし一口サイズに分けれるからね、風邪を引いた時の食べ物としては最適なんだよ」


 そう言いながら私の容体を見てくる妹。


「大分治ってきたね、今日一日ゆっくりしたら散歩くらいはしても良いかも」


(いや、今日一日寝たら普通に移動したいんだけど...)


 そう思いましたが声には出しません。


 妹はただお医者さんごっこがしたいだけなのだと思っていた私は、微笑みながら彼女の介護を一日中受けるのでした。

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