第383話 安堵
私が目を覚ますと私の片手をサラが握っている事に気がつきます。
「サラ...?」
私がそう呟くとサラが飛びついてきました。
「ケロナお姉ちゃん! 大丈夫だよ...、皆ここにいるから...」
「さっきのは...夢?」
「うん! きっとただの夢だよ...、ちょっと怖い夢を見ていただけだから安心して...」
そう言いながら妹が身を寄せてきます。
そのほのかな温もりを感じていると、嫌でも安心感が出てきました。
その温もりを感じ取りながらも、先程の生々しい戦いが【夢】だったの一言で終わらせたくないのも事実です。
(あんなリアルな夢がただの
しかし、現状ではただの夢であったと言う事に変わりありません。
私は少し考えながらもサラに聞いてみました。
「ねぇサラ、私寝言で何か言ってなかった?」
「...沢山言ってたよ、苦しんでいる様な声でずっとうなされてたから...」
そう呟く妹の顔がどんどん暗くなっていくのを感じた私は話題を変える事にしました。
「そう...、ところで私いつまで眠っていたの? そろそろメイアの追手が追いついて来るかも知れないから場所を移動しないとね!」
そう呟いた私に対して妹はこう言いました。
「まだダメだよ! もっとゆっくり眠って精神的にも肉体的にも全回復した後でないとケロナお姉ちゃんは動いちゃダメ!」
妙に厳しいサラの表情から読み取るに、私は先程の【夢】で相当うなされていたのだと思います。
「分かったよ、ちゃんと休むね...」
私の言葉を聞いたサラは「うん! よろしい!」と元気に言いながら、私が動かない様にしっかりと見張っているのでした。
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