第686話 【蛙伝雷速の型】

 私が今から狙うは【蛙伝雷速終いの型】。


 これは魔法でも物理でもダメージの通らない相手が出てきた場合にのみ扱う技である。


(一の型と二の型はこいつには通じないだろうけど、直接体内にダメージを与える終いの型ならきっと通る!)


 その為にはまず近づいて奴の皮膚に指の一本だけでも触れなくてはなりません。


「ふうっ」と息を吐きながら全身に蒼き稲妻を纏う。


 こうなったら短期決戦が正義だろう。


 私は白い息を吐きながら奴との距離を縮めた。


 私の速度が急速に上がった事に驚いたのか、奴は暴風を起こしながら敬遠してくるが、電撃の勢いに身を任せた突撃によりそれを無理矢理突破する!


(かなり強い暴風だけど、私の速度ならすり抜けられる!)


 奴の暴風の勢いよりも、私の走る速度の方が圧倒的に早いのか、風の中でも余裕で走れてしまう。


 そして奴の体に掌を当ててそっと呟く。


「【蛙伝雷速終いの型・極流拳】」


 そう呟くと奴の体内に私の蒼極の力が巻き起こり、【硬質化】していた奴の体内細胞をクラッシュさせるのでした。

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