第590話 【武闘家戦士】の限界突破④

「...」


「これとこれと、これも売る」


 私がギルドで今日も自然から取ってきた物を売ってお金稼ぎをしていると、興味深い依頼の話をギルドの職員が話していたので思わず盗み聞きしてしまいました。


「何!? 【Sランク】の魔物【風龍ルディラ=マルクス】が目覚めただと!? あれは国家最高権力の魔術師達が複数人係で睡眠魔法をかけて封印したはずだが!」


 その言葉を聞いた私はギルドの職員に話しかけました。


「その話、詳しく聞かせてくれないか?」


 当然変な顔をされる。


「なんだね君は」


「通りすがりの冒険者だ」


「ランクは?」


「...FだがAランクの仲間がいる」


「...話にならないな、そのAランクの仲間っていうのがどのくらいの者かによって話は変わるが、現状1人冒険者が増えたくらいではどうしようもないほどの強敵が現れたんだ、悪いがこの依頼は君のような低級冒険者には受けさせられない」


 そう言われたので私はミカを呼びました。


「ミカ、ちょっときなさい」


「何? 師匠」


 2週間前までとは比べ物にならないほに鍛え上げられた肉体を動かしながら私の方に歩いてくるミカを見て笑う職員。


「ははっ! そこの娘さんがAランクの冒険者だって?」


 軽く笑って済まされるが、次の瞬間にいつも私達を贔屓にしてくれている受付嬢がそそくさと現れてギルド職員に何やら囁くと彼の態度が豹変した。


「失礼しました! 貴女がレベル467のミカ様だとは梅雨知らず不遜な態度をとってしまいました!」


「うん、別に良いけど良い仕事が入ったんでしょ? 私と師匠でどうにかするから内容を教えてくれないかな?」


 そう呟く彼女にギルドの職員は話をしてくれ始めるのでした。

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