第92話 対抗策

 私は対抗策の書いてあるページを読み漁る。


「【洗脳】の魔法に対抗するにはより強い【洗脳】の魔法が有効である、もしくは聖女が覚える聖属性の回復魔法や【神の祈り】などでも解除はできる...か」


 今の私にはどれも難しいけれど、強いて言うのなら【洗脳】の魔法を覚えるのが手っ取り早いと思う。


 でも洗脳に洗脳を重複させても大丈夫なのだろうか?。


 そう言う考えが頭をよぎるが手段を選んでいる場合ではない。


 朝から昼までしっかりと魔法を勉強した結果、一応【洗脳】が使える様になったので試してみよう。


 私はその辺をぴょんぴょんと飛んでいるうさぎに向かって洗脳の魔法を使ってみる。


「【洗脳魔法】」


 私の魔法が効いたのかうさぎの動きが止まった。


「...こっちにきて」


 と私が呟くとうさぎは自らの足でこちらに近寄ってくる。


「...成功だ」


 まさか1発目から成功するとは思わなかったけど、成功した事を今は喜ぼう。


 それと同時にお腹がぐぐ〜っと鳴ったので目の前のうさぎに手をかける。


「悪いけど、私の栄養になってね」


 〜少女調理中〜


 私はその辺に落ちていた気の棒や枯れ葉を集めて火をつけた。


 その後でうさぎを炎の魔法で作ったナイフを扱い、食べられない皮の部分を削ぎ落とす。


「これは後で売れるから置いておいて...、こっちは食べれるから焼く」


 ケロナお姉ちゃんから教えてもらった捌き方のおかげで上手く捌けた。


 捌いた後は木の棒にうさぎ肉をぶっ刺して焼いて食べるだけだ。


 じゅ〜っと焼けるうさぎ肉の匂いが食欲をそそるがもうしばらく待たないといけない。


(早く焼けないかな〜)


 そう思いながら焼けるのを待っていると...。


 カササ...。


 と草村が揺れ動いたかと思えばいきなり真っ赤な髪の女性に襲われるのでした。

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