第176話 【シュライン】での日々④
最奥への扉を発見したエリーゼは真っ先に手をかける。
「早く覗いてみましょう! これだけ大きな扉だし中にはきっと凄いお宝があるのよ!」
そう言いながら扉を開こうとする彼女を止める私。
「待って! 今日は皆疲れてるだろうし扉を開くのは明日にしよう」
そう答える私にエリーゼは不満気な表情を浮かべながらも扉から手をどけた。
「ケロナお姉様にそう言われては仕方ありませんね...、でも明日には絶対に中を見ましょう」
そう言いながらも私の指示を聞いてくれるようになったのは大きな成長だろう。
私達はレイナに頼んで一度ダンジョンから脱出する。
〜ダンジョンの外〜
私達は一度ダンジョンの外に出て作戦会議を行った。
どうやれば最速で戦闘を行う危険性を極限までへらしながら奥地まで行けるのかを話し合う。
話し合いが終わる頃には夕方になっていた。
「よしっ、じゃあ明日にダンジョンを踏破しようか」
私の言葉にエリーゼが一番喜んでいる。
「その言葉! 待っていましたわ!」
ふふんと笑う彼女は本当に嬉しそうだった。
「ついに未開のダンジョンを踏破できますのね? これで私もただ家柄だけで上級職の冒険者になったと言う不快な噂をかき消せますわ!」
彼女のその言葉を聞いてなるほどと思ったけれど...。
よく考えたら私達と一緒に踏破したのでは結局他の冒険者の手を借りたのでは? と言われてしまいかねないと思うのだが、その辺は考えているのだろうか?。
...まあいっか、彼女は嬉しそうだし私達は仕事の報酬とダンジョンの攻略ができてウハウハだからね。
嬉しそうな彼女を目視しながら、私は明日への準備を怠らないのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます