第843話 レベル75の【高位冒険者】自信過剰な旅の純白魔女エルフ【レイナ】さんの魔術師見習い時代!! 短編集!! 第十段!! 【魔女】VS【武帝】②

「【火球】」


 アルフィ様の放つ初級魔法【火球】は家一軒くらいの大きさとなりオルゲンを包み込みのだが...。


「くぬっ! やはりアルフィだな、やりおる」


 などと言いながら刀の一振りで霧散する。


「まあ、初級魔法くらいなら弾かれるか...、なら【電撃の嵐サンダー・ストーム】」


 今度は自然の落雷が次々と天から嵐のように奴にへと降り注ぐ!


 それらを刀一本で凌ぎ続けている奴の姿はまるで刀神とでも言えよう。


「次から次へと良く出てくる」


「おしゃべりになったわねオルゲン、それともそれは余裕のない証拠かしら? 【氷の大地アイス・テラ】」


 師匠の言葉と共に辺り一面が氷の大地と化し、そのまま次の攻撃に連鎖する。


「【氷の針アイス・ニードル】!」


 凍った盤面場から極太の氷で作られた針がいくつも出現する。


「発生が遅いぞ」


 オルゲンはいくつもできた氷の柱を逆に利用し、空中を飛んでいる師匠に近づく。


「【鏡の盾ミラー・シールド】」


 師匠の前に薄い鏡のような膜ができ、それで刀の一撃を受け止める。


 鏡の膜は1発で壊れてしまったが、一応攻撃を防ぐ事に成功したようだ。


 こうして神々の戦いと見間違うほどの戦いに私は見入っていた。


 凄いなんて言う物じゃない。


 明らかに人間を超越した戦いがそこにはあった。


「やっと隙ができた」


「あっ?」


 空中で刀を構え直すオルゲンにそう呟く師匠。


 トンっと腹部に杖を構えると決め技に入る。


「【私の道アルフィ・ロード】!」


 その魔法は閃光を発しながらオルゲンを巻き込む。


「ぐぉぉぉ!!!?」


 刀で閃光の熱を防いでいるが、あれだけの熱量を防ぎ切れる訳がない!


 閃光の中で焼き切れるオルゲン。


「やった...! 師匠の勝ちだ...!」


 その言葉と共にオルゲンの力量に頼りきっていた敵の軍隊が四散しながら逃げていくのが分かる。


「オルゲン様がやられた!?」


「あの女...おかしい!!」


「魔女だ!! 本物の魔女!!!」


 声を上げながら次々に街から去っていく兵隊たちに安堵していると、師匠が箒から落ちて地上に落ちてきた。


「ぐ...!」


「アルフィ様!!」


 私が薬を手に彼女の元へと向かう。


「大丈夫ですか!?」


「え...ええ、オルゲンの放った2連撃を防げなくてね...、私も腹部を斬られてたみたい...」


 腹部からドクドクと出血を繰り返しているのが見えた。


 私が自分の服を破き腹部に布を巻こうとすると...。


「待たれよ! アルフィの弟子レイナよ!」


 今更ガリレア王が現れるのでした。

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