第689話 【帝王】

 突然声を出したお妃の死体から離れる私。


「何っ!?」


 クスクスと笑う彼女の姿を見て私は唖然とした。


 先ほどまで冷たく完全に死人だと思っていた人物に生気が宿っていくのだから、驚くのも当然である。


(完全に死んでいた人がこんな風に生前の姿取り戻す事なんてあるの? これじゃあまるでみたいだ)


 私の主人であるアリカと言う少女も常識離れな魔法を扱っていただけに、今目の前で起こった事も信じられない訳ではないが、やはり異質な事が起きている事は明白だった。


 私がゴクリと息を飲む中、彼女は正体を露わにした。


「ふふっ、可愛い顔してるね」


「そう言うあんたはひどい顔だよ」


「そう? これでも【帝王】の中では最高クラスの美貌持ちだと自負してるんだけどねえ...」


 彼女はそう呟いた瞬間に髪をバサっと翻す。


 すると血色がさらに良くなり、美しい緑の長髪が私の瞳に映し出される。


「なっ!? 【帝王】だって?」


「そうそう、私は【風帝】ライファー、覚えておいてね、ケロナ」


【帝王】と言う謎の単語を呟く彼女は一体何者なのか!? 次回に続く!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る