第688話 女性差別の謎

 私の一撃を受けた奴の体は、爆発四散するかのように飛び散りました。


 焼け焦げる肉体の中からミカとミルシュの姿が見えると安心してしまう私でしたが、その中から同時に老けた王であるターランド王が姿を表しました。


 最大限の注意をしながら、彼に近づいてみると、事に気がついてしまう私。


 彼が抱きしめている女性が死んでいる事は分かっていましたが、まさかターランド王自身が既に亡き者になっているとは思っていなかった分衝撃が強い。


「どう言う事? 彼はずっとこの国を統治してきたはずじゃあ...」


 死人が口を聞けるはずがありませんし、私がこの国に来た時にはまだ王様は生きていると国中の人が言っていたのを思いだす。


「おかしい...、それによく考えるとこの王様は女性の亡骸を大事そうに抱きしめているのも違和感がある、この国の王様は女性を差別していたはずじゃあ...」


 そう思った私は黒焦げになっている触手をかき分け、彼の元へと近づきました。


 そして亡骸となっている女性の方に手を当ててみた瞬間にドス黒い瘴気を感じてしまう私!


「貴女...、良い見た目をしてるわね」


 急に死んでいたはずのお妃が瞳を動かして私の事を見ているのでした。

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