第491話 【次元龍】VS【黒牛】⑥

 ギシッ...!


『かはっ!!』


「フハハ!! 今すごい勢いで仰け反ったな! 苦しいか? ええ? そのまま死んでしまえ!!」


 グググ!!!


『あっ! ぐっ!!」


 私が彼の手に魔法を当てようとしていても、この痛みのせいで中止してしまう!


(くっ...! 痛みのせいで詠唱が...)


「ククク、どうやら詠唱ができないようだな...、このまま窒息させてやろう...」


 彼はそう言いながら私の顔に残った方の片手を当ててきました。


『むぐっ!!』


「クククフハハ!! 息が出来ないだろう? あの【次元龍】の死に様が窒息死だとはお笑いだな!」


 本当に息ができませんしずっと体を締め付けられているので少しずつ力がなくなってきました...。


(本当にまずい...、このままじゃ...やられる...)


 徐々に気を失いそうになった時に彼女の声が聞こえてきました。


(...私はこんな所で死ねない! 【次元龍】! 私に力を貸しなさい!!)


『ケロナ...?』


「何をブツブツ言っておるのだ? そろそろ終いにしてやろう...」


 グッと彼が力を入れた瞬間に私の中から【蒼】の力が吹き荒れました!。


(これは...! ケロナの【極限】能力!!)


「【蒼極】!!」


「ぬっ!?」


 私が極限に力を解放すると、彼の手の中から自力で脱出する事ができました。


「なんだ? その蒼いオーラは...、【次元龍】の力ではないな...、まさか依代の力だとでも言うのか?」


「さあ...? どうでしょうね、でもこれだけは言っておくわ、私はスラナ村の皆を殺害された理由を作った【大帝】を許さない!」


 私はそう叫びながら彼の巨体に向かって飛びかかるのでした。

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