第492話 【蒼極】VS【黒牛】

 私の蒼きオーラを見たクラールは驚いていましたが、すぐに取り直して私にこう言いました。


「まさか、依代如きがワシと戦うと言うのか?」


「問題あるか? 私は既に【大帝の眷属お前達】何人も倒している事は知っているだろう?」


「ふむ...、確かにな、マーカイルにザラン、そしてエルサにメイア...、我らをここまで葬ったのはこの世界に置いて【次元龍】とお前が初めてだろう」


「なら問題ないよね?」


「...どちらにせよ【次元龍】の依代となった時点でお前は我らに消される運命にあることは変わらない、どれだけお前がもがこうと、いずれ我らが貴様をこの世界から消し去る事は決定事項なのだ」


「なら足掻かせて貰うだけだね、何度でもかかってくると良い、その度にお前らは確実に数を減らすだろう...」


「減らず口を叩くのは【次元龍】だけではない様だな...、依代よ、ひとつだけ言っておく、貴様がなぜ【次元龍】をその身に宿しているのかは知らないが、そいつはお前達人類だけではなく世界...、いや全ての次元に生きる者達の敵だ、もしも仮に我ら【大帝軍】を殲滅できたとしても、いずれお前はそいつを体内に宿してしまったせいで選ばなくてはならなくなるだろう、自分の命か多次元全ての命をかを...」


「自分の命か多次元全ての命かを選ぶ?」


「【次元龍】を宿したと言うことはそう言うことなのだ...」


 ...彼の言っている事の意味がよく分かりませんが、結局目の前の彼を倒さなくては私が生きて帰れない事は変わりません。


「よく分からない話をして私を惑わす気でしょ? その手には乗らない!」


 私は勢いよく蒼刀を抜刀し【蒼極】の力を全開にしました!


 全身から蒼き力が迸り、それを蒼刀が強化してくれます!


(凄い! 元気な状態で刀ありの【蒼極】からこんなに凄い量のエネルギーを生み出せるなんて思わなかった!)


 これならば今までで1番の魔法や技を放てそうです!


 私は一呼吸置いてから刀を構えて一気に標的に向かって走り抜けるのでした!

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