第493話 【蒼極】VS【黒牛】②

 私は刀を掲げながら一気に距離を詰め寄り斬りかかる!!


 ギィン!!


 しかし、クラールの皮膚に刀の刃先が当たると弾かれてしまった。


「硬い...」


「当たり前だ、貴様は確かに人の身としてはかなり豪の者なのだろうと言う事は分かる...が、所詮はその程度...、我ら異形の者には遠く及ばない...」


 そう言いながら彼の拳がすぐ近くまで迫っている事に気がつく私!


(まずい! 躱しきれない!)


 そう思って刀の刀身で受けようと考えた次の瞬間!


『...私に任せなさい』


「えっ?」


 急に目の前に私の意思とは関係なく【砂鉄】の力が巻き起こり、私の代わりのに攻撃を防いでくれました。


「【次元龍】!?」


 驚く私の声に彼女は答えました。


『今は楽しむことよりも目の前のこいつを倒す事だけ考えるわ、こいつには聞きたいことがあるしね』


「...ふっ、それでも良いさ、手を貸してくれるならね」


 ...【次元龍】の行為に驚いていたのは私だけではなかった。


「まさか...、【次元龍】が自分の意思で依代を助けたと言うのか?」


 明らかに動揺している彼に私は速攻を仕掛ける!!


 刀を振りかざし勢いよく斬りかかった!!


「無駄だ! 貴様の力でワシに傷をつける事はできん!」


 そう叫んだ瞬間!


 ザシュっという確かな手応えと共に彼に体に傷が入るのでした。

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