第769話 忍者と鍛治職人VS【雷帝】②

【エレキトリック・ランド】


 私とポニーさんはその中をゆっくりと進んでいく。


「あれは何?」


 そう呟くポニーさんの眼前には馬の置物が天井から吊るされている棒に突き刺さったまま回転すると言う機械がありました。


 楽しそうな音楽までかけて誘っているのが見え見えです。


「罠かもしれないので気をつけて下さい」


「う...うん」


 とは言ったものの、私も妙にあの機械には惹かれてしまっていました。


(なんでこんなにワクワクしているのでしょうか? ここは敵の本拠地ですよ?)


 心の中ではそう思っていても、妙に目が離せない。


(誘惑に負けてはいけません!!)


 一度自分のほっぺたをつねり痛みにて甘誘を振り払いました。


「ポニーさん、行きますよ」


 私はそう言いながら彼女の手を引っ張る。


 しばらくいくと、今度は馬車の様な物体が線路の中で走り回っている異様な光景を目にした。


(なんですかアレは?)


 1人でに走る馬車の数にも驚きましたが、特に驚いたのはそのデザインです。


(こんなデザインの馬車は初めて見ました)


 そもそも馬車だと言うのに馬はおらず、魔力で走っている様ですし、椅子の眼前に突起物がありソレでこの馬車をコントロールするのでしょう。


 その様子を見ているとついつい乗ってみたくなりましたが、やはり我慢です。


「行きますよポニーさん!」


 そう言いながら彼女の手を引っ張ろうとしたのですが...。


「ごめんプラル、アレにはちょっとだけ乗ってみたいかも...」


 と声を漏らす彼女なのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る