第770話 忍者と鍛治職人VS【雷帝】③

「いやっほう〜!!」


「ポニーさん! そんなにスピードをあげると危ないですよ!!」


 私も馬車(?)に乗り込み凄まじいスピードでコース上を走り回るポニーさんの馬車(?)を追いかけます。


「大丈夫だって! そんな事よりこの馬車(?)すっごく楽しいよ!!」


 確かに、彼女の言う通りこの馬車(?)での競走はとても楽しく思えます。


 フィールド内に張り巡らされた罠を回避しながら先に3周すると言うシンプルなゲームなのですが、それ故に奥深さも持ち合わせている様に思えました。


 だんだんと上手くなってきたポニーさんのドライブテクに追いつこうと私も必死になっていると、突然横から私達の物とは段違いに大きい馬車(?)がコース上に入ってきました。


「な...なに!?」


 私が驚いていると急にその馬車(?)に乗った緑アフロの男が私達にこう言ってきたのです。


「【エレキトリック・ランド】にようこそ、俺こそがこの遊園地の創造主【雷帝】のミカウだ!」


「「【雷帝】!!?」」


 私もポニーさんもいきなりの登場に声をあげることしか出来ない。


 そんな風に彼が私達と同じ位置にまで馬車(?)を並走させてくるとこんな事を言い出しました。


「今からお前たち2人にはゲームに参加してもらう」


「ゲーム?」


「この【エレキトリック・ランド】コースを3周するんだが、俺に負けたらお前らは一生ここの従業員として働いてもらう」


「私達が勝ったら?」


「【大帝】様の場所が知りたいんだろう? 教えてやるよ」


 その言葉に闘争心を燃やすポニーさん。


「その話! 乗った!!」


 勝手に話を進める彼女には正直呆れてしまいますが、それでも【雷帝】と戦うには現状の戦力が不足していると思うのでゲームで決着を決めるのはありだと思います。


「分かった、その要求を飲もう」


 私の言葉を聞いたミカウはニヤリと笑う。


「これは【契約】だ、破ればどうなるかわかっているだろうな?」


 悪魔との契約。


 それはつまりこの【契約】に関してはお互いに嘘はつけず、契約破棄は重大な代償を払うと言うことに他ありません。


 それを条件に私達はゲームに挑むのでした。

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