第771話 忍者と鍛治職人VS【雷帝】④
私とポニーさん、そして【雷帝】は所定の位置にカートを置く。
どうやらこの馬車(?)の名前はカートというらしい。
一応公平になる様にスタート位置と相手のカートの点検はさせて貰えたが、正直わたしには複雑すぎる造りなので何が何だか分からない。
しかし、そこは鍛治職人のポニーさん。
なんとなくカートの点検を済まして不正がない事だけは確かめたようでした。
「これでお互いに不満はないな? ちなみに言っておくが俺のカートはデカい代わりにスリップした時の再加速が遅いんだ、逆にお前たちの小さいカートは最高速が劣る代わりにスリップしても再加速しやすいというメリットがある、今ならまだ大型カートや中型カートに変更する事もできるがどうする?」
一瞬他のカートに乗り換える事も考えましたが、やはり1番乗りこなした物で勝負した方が良さそうです。
私もポニーさんも軽量級のカートで勝負する事にしました。
「カートはそれでいい様だな、では位置について用意...スタート!!」
彼の言葉でレースが始まる!!
私もポニーさんもアクセル全開で一気に駆け抜けようとしたのですが...!
「邪魔だ!!」
後ろから突然衝撃が走りコース外に飛ばされてしまいました。
ガンっ!!
「「わっ!!」」
私もポニーさんもスピンしながらコース外にスリップし、そこからコースに戻るのにかなりの時間を要してしまう。
「ず...ズルだろ!! それっ!!」
そう叫ぶポニーさんの言葉に彼はこう答えました。
「なにがズルだ、カートの衝突合戦は勝負のキモだ、悔しかったらお前たちも突貫してくるんだな」
と言う言葉に激怒するポニーさん。
「ムッキィィィ!! 絶対に追い抜いてやる!!」
彼女はそう叫びながらカートのアクセルを踏み込み勢いよく前に進んで行くのでした。
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