第455話 金髪イケメン再び
「あぁ...、悪い悪い、面白そうな事を話していたからつい...ね」
私達の目の前には以前エリーゼの家前であった金髪のイケメン貴族アポロの姿がありました。
「なんで貴方がここに?」
レイナが言葉をかけると彼はそれに答えました。
「ああ、ちょっとした旅行のつもりなんだけどさぁ、旅の途中で面白い話を聞く度に大体この言葉が出てくるんだよね」
「なに? どんな言葉?」
彼はレイナの問いに対してふふっと笑いながらこう返してきた。
「蒼き髪を持つ少女が行く先々で【大帝】の悪事必ず正されるってね...、気になって情報を頼りに旅をして見ればこの前の大惨事だよ、流石の僕も死ぬかと思ったけど、目の前では世紀の大決戦が行われていたからねぇ...、しっかり楽しませて貰った」
(楽しんだ? あの大惨事を?)
彼の心の有り様がよく分かりませんが、彼は何か【聖典】について知っていそうです。
「... 【ガライ】? なぜ貴方はあの場所に【聖典】が向かったと考えているのですか?」
彼はレイナの言葉に苦笑しながら答える。
「【ガライ】は【大帝】を天から送られてきた神だと思っている地域だぞ? 【大帝】の生み出した【聖典】が向かう場所にしてはうってつけだろう?」
「...貴方妙に詳しいですね? 【大帝】の関係者か何かですか?」
その問いに彼はこう答えた。
「いいや、僕はただそう言う知識が好きなだけの貴族だよ」
そう呟く彼のステータスを盗み見たプラルは静かに彼のレベルを言いあてました。
「たしかに...レベルは56普通ですね」
「だろう? 【大帝】の【眷属】の凄さをこの前目の当たりにしたけれど、アレは凄かった、レベル400越えなんて初めて見たから興奮して夜も眠れなかったよ」
その言葉を聞いて私は何となく彼の事を理解しました。
頭のおかしい人間というのは大抵何人かはいるものなのだと知っていましたし、別に何とも思いませんが彼の持っている情報はできるだけ引きずり出したい所です。
そう思っていると彼は提案してきました。
「僕も【聖典】の力とやらをもっと見てみたいんだけどさぁ...、1人だと厳しいんだよねぇ...」
チラチラと私達の方を眺めてくる彼に「何が言いたいんですか?」と呟くレイナ。
その言葉に彼はこう返してくる。
「一緒に行こう」
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