第454話 【聖典】の向かった先
結果的に言えば町や民間人への被害はそこまでなかったらしい。
レイナの集団殲滅魔法やプラルの暗器、エリーゼの防御壁のお陰で被害は最小限に抑えられたのである。
「でも、1番頑張ったのはケロナでしょう? 貴女がエルサとメイアを倒したのには間違いないんですから」
「そう? 皆がいなかったらこの町も【クレイトン】みたいになっていたと思うよ」
クレイトンで見たような大災害を食い止められたのは嬉しいが、それにしても私たちだけであの【聖典】の侵攻を食い止められた事を実感できる風景に私は満足している。
(クレイトンでは殆どの人が大切な人を失っちゃったからね...)
「ディール、サーシャ、マーヤ」
私は聖典と一緒に戦った仲間の名前を呟いた。
【聖典】が生み出す負の連鎖はあまりにも大きい。
だからこそ誰かがアレを破壊しない限りは永遠にこの苦しみを味わう人が出続けてしまうのだ。
「...そう言えば【聖典】はどの方角に消えたの?」
私の言葉に皆が口を閉じる。
「どうしたの?」
明らかに皆の顔色が悪くなっている事に気がつく私。
その沈黙を破るようにレイナが声を出しました。
「...恐らく」
「ガライだよねぇ...」
突然別の方向から私達の会話に介入してくる者がいたので、そちらの方向に全員が一斉に振り向くのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます