第388話 【行商町トリスタン】②
私が町で情報収集をしているととある噂が耳に入ってきました。
「そう言えば今度の【トリスタン・トーナメント】の優勝賞品の刀...、凄く綺麗だったな!」
「ああ! 刀身が蒼い刀なんて初めて見たが、とんでも無く切れ味が良さそうだった!」
「俺も欲しいけど流石に優勝は無理だろうな、なんせ今回のトーナメントには【勇者】が参加してるんだろう?」
「そうだよ! だから俺たちみたいな庶民じゃどうあがいても勝てないし、怪我するだけだ」
「参加するだけ無駄だな」
「ちげ〜ねぇ」
笑いながら去っていく男達の話に興味が湧いた私は思わず「その優勝賞品の刀ってどこにあるの?」と聞いているのでした。
〜トリスタン・トーナメント会場〜
男達に聞いた場所にたどり着いた私は優勝賞品が飾られている壇上を見てみました。
「あれが優勝賞品の刀...」
最初はエリーゼに持って帰れば喜ぶかもと思ったのですが、実物を見た際に凄く懐かしい気分になっていきます。
(なんだろうこの感じ...、と言うかあれって私が夢の中で振り回していた刀だよね?)
そう、トーナメント優勝賞品の刀の形が夢の中で私が振り回していた刀と全く同じだったの驚く私。
(まさか...ね)
夢の中で見た物と全く同じ物の出現に思わず息を呑む私なのでした。
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