第387話 【行商町トリスタン】

 私の傷が完治した後で向かったのは【行商町トリスタン】です。


 最初こそメイアの追手が近くにいるのではないかとヒヤヒヤしていた私達ですが、彼女にも玩具の兵隊にも見つかる事なく無事に【行商町トリスタン】に到着する事ができたのでした。


 意外と近かったのもありますが、無事に辿り着けたのは大きいとレイナは言っていました。


 何故なら、ここで「」らしいからです。


 どうやら、私がついて行けなかった【Sランク】の依頼で討伐した【光龍】とやらの素材を使えばもっと強力な武器が製作できるらしい。


「まずは情報収集ですね、皆さんにはこれから町の中を歩き回ってもらい、優秀な鍛冶屋がないか探して貰います」


 その言葉に私は少し疑問を持ったので聞いてみる事にしました。


「エリーゼとプラルの武器を作るのに鍛冶屋を探すのは分かるけど、サラとレイナの装備品も鍛冶屋でいいの?」


 その質問に彼女は答えてくれます。


「ええ、勿論ですよ、杖は別になんでもいいんですけど、より高い耐久性や使い勝手を考慮したときに鍛冶屋さんで調整して貰うのが1番ベターですからね」


 レイナが言うには杖の良し悪しは杖に混ざっている素材の良し悪しで良い悪いが決まるらしく、端的に言えばそこら辺に落ちている木の枝でも魔法を使う際の触媒にはできるらしい。


 ただし、ただの木の枝では魔法の威力に耐えきれず不発になったり媒体となった木の枝が壊れてしまう。


 戦場ではそう言った不確定要素が命取りとなる場面が多い為、魔法使い達はより強度の高い杖を求めるらしいのだ。


「じゃあ始めましょうか」


 そう彼女が呟いた瞬間に私達は全員散らばって情報収集を始めるのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る