第389話 【行商町トリスタン】③

 私達は一度集まり各自で集めた情報を言い合う。


 その中でレイナは「良い腕の鍛冶屋がいる」と言い、サラは「魔導書の書店がある」と言い、エリーゼは「ケロナお姉様に履いていただきたい下着(えっちなやつ)を買ってまいりました!」と言い、プラルは【トリスタン・トーナメント】について語っていました。


 ぶっちゃけていうとエリーゼの話だけどうでも良いものだったので他の人の話を紐解いていきましょうか。


 んっ? エリーゼが可哀想だって?


 そう言う人には「そんなことないよ」と言っておきます。


 1時間もかけて無駄な情報収集を行っていた彼女が悪いのだ。


 何やら1人で盛り上がっているエリーゼの話を皆がスルーして話が進む。


「とりあえず腕の良い鍛冶屋が見つかったので素材を渡しておきましたが、全員分の武器が完成するまで1週間ほどかかるので、暫くは間に合わせの物で済ませるしかありませんね」


 とレイナが呟く。


「サラはね、興味深い魔術書を見つけたんだ! 後でレイナさんも一緒に読もうよ!」


 と言いながら妹が提示してきた本の題名は【魔術の心得】とか言う分厚い本でした。


 それを見ただけでも私は「うへっ...」と変な声をあげてしまいます。


 そう言う反応をする私とは対照的に、レイナは物凄く喜んでいました。


「待ってください! その魔導書の著者って【プラム】ですか!? その人の書いた本はあまり出回っていない貴重な物なのによく手に入りましたね!」


 と大興奮な声をあげている。


「えへへ〜! そんなに喜ばれたら100もしたけど買った甲斐があったってもんだよ!」


「んっ!?」


 突然できた100万ゴールドという大金に私は思わず大声をあげてしまいました。


「ひゃ...100万ゴールドぉぉぉぉぉ!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る