第180話 真実(?)
私がエリーゼの父さんの部屋に赴きダンジョン内で起こった事情を話しました。
「【シュライン】公爵殿! 今日正午頃、例のダンジョンを踏破いたしましたが、既にダンジョンは一度踏破されておりました! あのダンジョンは貴公の所有物だと事前に聞かされていましたので、この件について何か知っていませんか?」
私は自分にできるだけの丁寧な言葉を選びながらエリーゼの父さんから真実を聞き出そうとしていると...。
「そうか、攻略してくれたか、これで満足しただろう? エリーゼ」
私の言葉など微塵も聞く気がないような素振りを見せる【シュライン】公爵。
「お父様...?」
「そんな顔をするなエリーゼ、大丈夫だ今回の件はちゃんとエリーゼとその仲間達が未開のダンジョンを踏破したと言うことにしておくから問題ない、お前はど〜んと構えているだけでいいのだ」
「どう言う事ですか...?」
エリーゼはワナワナと体を震わせながら父さんの言葉を聞いている。
「知れた事よ、私が先に他のパーティに踏破させておいてから新しくお前にパーティを組ませただけだ、可愛い一人娘に本当に危険な作業をさせるわけにはいかないだろう?」
その言葉にエリーゼは膝から崩れ落ちた。
「そんな...酷い...、私は本当に自分の力であのダンジョンを踏破したと思っていたのに...」
今にも泣き出しそうな彼女を見ていると、かける言葉すら失ってしまう私。
でも...。
今のエリーゼの父さんの発言には違和感しか感じていない私なのでした。
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