第179話 金髪のイケメン
〜シュライン公爵家の前〜
私がエリーゼの家に入ろうとしていると中から出てくる人物とぶつかって尻餅をついてしまった。
「いたっ!」
私が声を上げた瞬間に目の前の青年は声をかけてくる。
「おっとすまない、いそいでいたもので...」
そう言いながら手を差し出してくれたのでその手を取って起き上がった。
「すまないな、ところであんたは?」
私の問いに金髪イケメンは答える。
「僕の名前はアポロ、由緒正しき貴族の末裔さ」
彼が言葉を発する度にサラは大興奮していた。
「わっ...、イケメンだ! 格好いい!!」
両手を広げて喜ぶ妹とは対照的に私は眉をひそめる。
「じゃあ僕はこれで...」
そう呟きながらこの場を去ろうとする彼を私は止めた。
「待って...」
「何かな? 青髪のお嬢さん?」
余裕そうな態度で私にそう呟く彼の潜在能力に気圧されそうになるが、私は聞いてみた。
「今回の仕事で私達よりも先にダンジョンが制覇されていた事について...、何か知らない?」
「君たちよりも先にあのダンジョンを攻略していた者達がいるって? いや知らないな、何せ僕は今日この家の旦那様に顔合わせに来ただけだからね...」
「そう...、分かったありがとう、呼び止めて悪かった」
「いえいえ、どういたしまして」
彼はそう呟くとどこかに行ってしまった。
(あいつ...)
私は貴族の青年アポロにとある疑問を感じながらも、今はエリーゼの父さんに個人ダンジョンの踏破が先に達成されていた事について話をする事を優先させるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます