第300話 ビックベアー②

「グルゥァァァ!!」


 と熊が叫びながら私に襲いかかってくる!!


 力強い方向に気圧されながらも、私は刀を握り直す。


(お姉様ならこんな時にでも絶対なんとかしますわ!)


「はぁ!!」


 力強く叫びながら熊の爪を前にして一歩も引かない私。


 刀を振りかざし奴の腕に切り込みを入れる!!


 刀身が血油で汚れる度に切れ味が悪くなって行くが、流石の熊の1匹を倒すくらいなら切れ味も持ってくれるだろう。


 と言うか意外と熊を相手にしていても戦えているのが不思議でした。


(右からくる!)


 そう思うとやっぱり右からパンチが繰り出されるので簡単に躱して斬る!


 何度か攻撃を繰り返していると、奴の息が乱れ始めたので勝機を感じました。


「今だ!!」


 奴が油断した瞬間を狙い【剣技】を披露する私!


「【ナイツソード】!!」


 これは私が屋敷にいる時に覚えた技で【聖騎士】の必殺技です!


 職業を入れ替えても昔覚えていた技は忘れないと言う長所を活かしました!


 刀に聖なる魔力を込めて放つ【ナイツソード】はかなりの威力がありますが、隙が大きくあまり乱用できる技ではありません。


 だからこそ1人の時には注意して使わなければならない。


 しかし、そんな大技を使うタイミングが手にとるように分かるのはやはりケロナお姉様達と同じ視線を潜り抜けた結果だからでしょうか?


 いつのまにか相手が熊くらいなら安定してチャンスを伺えるようになっている事に私自身気がついていないのでした。


(ここっ!!)


 相手が大振りな動きをした瞬間に私は技を決める!


「【ナイツソード】!!」


 私がそう叫ぶと、白く輝く聖なる魔力が敵を討つのでした!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る