第726話 【次元龍】の復活

 パチリ...。


「これが我の新しい体か...」


 我は新しい蒼髪の娘の体を漁る。


「なんだかこの格好はむず痒いな」


 そう思った我はこの珍妙な服を魔力で弾き飛ばし、砂鉄の力で黒き鎧を纏う。


 その光景を見ていたアポロが我の前に跪いた。


「後復活おめでとうございます、


 親しげな声をあげてはいるが、此奴は最近我の部下になっただけの男だ。


 復活の手助けをしてくれた事には感謝するが、それ以外の事でこいつに借りを作るわけにはいかない。


「ああ、ではアポロ、お前は復活を果たした我に何を願う? 世界征服か? それとも我が眷属として永遠に生きることか? 正直に申してみよ」


 我の言葉に彼は笑顔で答える。


「どちらでもありません、僕はただ貴方様と【大帝】に戦いを見てみたいだけなのです、どうか貴方の力をお見せください」


「その程度の願いでいいのか? 分かった、その願い聞き入れよう」


 我は砂鉄を扱い黒き翼を出現させて飛び立つ!!


 結界を壊し、外の世界に我が復活を知らせると一直線にフリーズのいる城へと向かう。


 我の侵攻と共に夥しい数の眷属達が【大帝城】へと向かい始める。


 我には【大帝城】に存在している【大帝】の居場所が分かるのだ。


 なぜなら...。


 我もこの世界の住人に呼び出され【大帝】を殺す使命を課されているからだ。


大帝やつ】も我を討伐対象に見ていたようだが、我も同じく奴を殺さなくてはならない。


 以前は不覚を取ったが、新しい若く強い肉体を得た今の我ならば恐れるに足りない。


【大帝城】の隠されし場所に突撃し、奴の眠る場所へと辿り着く。


「フリーズ!! きてやったぞ...!」


 そう呟く我が見た光景は氷漬けになって眠る【大帝】の姿なのでした。

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