第42話 魔法の袋
「何...今の...」
私が目を丸くしたのを見ておじさんは笑っていました。
「何今の!! すっごい!!」
サラも魔法の袋に興味津々だ!!。
完全におじさんのペースだが、これは飲まれずにはいられないだろう。
「ふふん、お二人とも興味があおりのようで何よりです、ではこの1番小さな袋は10万ゴールド、次に中くらいの袋で30万ゴールド、更に大きな袋で70万ゴールド、最高級な巨人の袋で100万ゴールドにて提供させて頂きます」
さも当然のように商談に入るおじさんだったが、正直に言わせてほしい。
「えっ...? 1番小さいので10万? たっか!」
しかも大きな袋とか70万ゴールドだよ!? 急に高くなりすぎだし正直買えない額だ。
中くらいの袋なら手が届きそうではあるが、1番小さな袋の収納量がトランクケースを一個収納できる程度の物ならば別に必要はない。
しかし...。
私は一応聞いておく事にした。
「中くらいの袋ってどのくらいの荷物が入るの?」
私の問いに彼はこう答える。
「そうですね...、見たところあなた方2人の荷物を4倍にして全部入れても2人分の食料が1ヶ月ほど収納できるくらいの量でしょうか」
「食料...1ヶ月分...か」
そう聞くと悪くない。
袋の中に干し肉などを入れておくだけでも割と便利ではある。
しかし、そうなってくると別の問題が出てきたので聞いておこう。
「食べ物とそうでない物は分けれるの? いくら持ち運びが便利でも使い古した武器などと一緒に食べ物は入れられないでしょ?」
私の問いに彼はこう返してきた。
「勿論大丈夫ですよ、これは食べ物だと念じながら袋の中に入れると食料用の保管庫に送られますし、武器だと念じながら袋に入れて貰えればそちら用の保管庫に預けられます」
「保管庫に送られる? って言う事は本当は袋の中に物がある訳じゃないって事?」
私の質問に彼は「いい質問ですね」と返してくる。
「貴女の言う通り我々は魔法の袋で生計を立てている者でしてね、広大な保管庫をいくつも持っていてそこをお貸しする事で冒険者や旅人各位の生活を支えていると言うわけです」
「なるほどね...、と言うことは当然維持費もかかると言うわけだよね?」
私の言葉に彼はニヤリと笑う。
「素晴らしい、初見でそこまで気がつくとはお嬢さん、只者ではなさそうですね...、では少し早いですが保管庫使用料の月額料金についてお話しさせて貰いましょうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます