第346話 光龍 スペル・シール③

「じゃあエリーゼさんに前衛をお任せします!」


 そう言いながら私たち3人は後衛に回りました。


「はっ!? ちょっと待ってください! サラとレイナさんが後衛に回るのは分かりますけど、プラルは前衛職なのでは!?」


「【忍者】には手裏剣と言う遠距離武器や【背後攻撃バックアタック】によるダメージ補正が乗るので、中衛という立ち位置が1番安定しているのです!」


 無理にでもエリーゼを1人で前衛に立たせるのには理由があります。


 正直言ってあの光龍の鋭い一撃を魔法使いと言う脆い職である私やサラが受けてしまってはひとたまりもないと今ので実感してしまったのでした。


 それも相手が光龍では突然魔法の発動が消されてしまうというリスクがある中で私達魔法使いの職が上手に立ち回るのは難しいのです。


 その弱点を克服する為に【魔女】には【箒魔法】という【職業固有の技ユニークスキル】があるのですから...。


「【箒魔法】を封印されてしまった以上、私と一緒に注意を引くと言う事はできません! エリーゼさんには1人戦って貰わなくては私達は確実にします!」


 私の言葉を聞いた彼女の表情は急に真面目になって光龍を睨みつけました。


「...わかりましたわ! できるだけやってみます!」


 刀を手に彼女は魔法の防御壁を繰り出す!!


「【聖騎士の壁パラディン・ウォール】!!」


 猫の肉球が描かれた壁が彼女の前に出現する!


 分厚く硬い魔力壁に多少の安堵感を覚える私でしたが...。


(でもこれ...、結局魔力で作られているから奴に睨まれると消えちゃうんだよね...)


 と思っているのでした。

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