第347話 光龍 スペル・シール④

「【聖騎士の壁パラディン・ウォール】!!」


 エリーゼさんの出した魔力壁は光龍の睨み一発でかき消されてしまいました!


「きゃっ! 私の壁が消えてしまいましたわ!」


 そう驚く彼女の声と共に私の魔法が再び扱える事に気がつきました。


(...もしかして)


 私は杖を振り上げて最強の魔法【私の物語レイナ・エピソード】を放ちます!!


 以前よりもレベルアップした高熱の閃光が放たれて奴に襲いかかろうとすると...。


 ギロリ!!


 と私の体を見て魔法を打ち消しましたが...。


「私の壁が戻りましたわ!」


 とエリーゼの【聖騎士の壁パラディン・ウォール】が元に戻った事で確信しました。


「そうだ! やっぱり光龍スペル・シールは1人の魔法しか封殺できないんですね!」


 そうと分かれば手いくらでもあります!


「プラルさん! できるだけ奴の後ろに回って攻撃してください!」


「分かりました!」


 彼女はそれだけ呟くと奴の後ろに回り込み、手裏剣で攻撃を開始する!


 ちまちまとした攻撃では奴の意識を逸らす事で精一杯だろうけど、今はそれで良いのです。


(私の【私の物語レイナ・エピソード】が上手く決まればきっと光龍スペル・シールでも討伐する事ができるはずです...、その為には皆に攻撃して貰って注意を引いてもらう必要がありますね)


 と言う思惑がある。


 私は杖をしっかりと握りしめて皆が戦っているのを見つめながら、奴の隙を伺うのでした。

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