第358話 玩具箱の家④
紫髪の少女は私達の方を見据えながら微笑を溢す。
「ふふ...あはは...」
「何がおかしいんだ!? ケロナお姉ちゃんをこんな目に合わせて!! 絶対に許さないからな!!」
少女に指を差して怒の声を上げるサラ!
「いえ...、そこまでケロナお姉ちゃんの事で怒るって事は本当にケロナお姉ちゃんの仲間なんだよね?」
「そうだよ!! 分かったら早くケロナお姉ちゃんを返して!!」
必死に叫ぶサラの姿を見て滑稽な笑い声を上げる少女。
「あはは! そんなに取り乱すって事は貴方がケロナお姉ちゃんの妹ね!」
その言葉に真面目に答える弟子。
「そうだ!!」
「...へぇ貴女がねぇ」
エルサと同じ様な気持ちの悪い笑みを浮かべたかと思ったら...。
ずぷぷ...。
「あぐっ...」
ケロナの手に刺さっている刃物を少し押して深く肉に突き刺した!!
痛みに微かにでも反応するあたり、ケロナはまだ生きているようだ。
子供には刺激の強い現場を見てしまったようで、サラは駆け出した!!
「このっ!! お姉ちゃんから離れろ!!」
「サ...ラ?」
サラの声を聞いてしっかり反応できているので、今すぐ救い出せばどうにでもなりそうなのですが...。
(問題はあの娘ね...)
私の強敵センサーがビンビンに反応してしまうほど、目の前にいるゴスロリ少女の強さは本物だと思わずにはいられないのでした。
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