第405話 恐れ...

 俺達勇者パーティが控え室に戻ると、何やら隅の方で震えているユージアの姿が見えました。


「どうしたんだ? さっきもケロナと握手をして震えていたけど、何かあったのか?」


「...キィア」


 最初こそ黙っていた彼女でしたが、少しずつ口を開けて俺にこう言いました。


「キィア、驚かないで聞いて欲しい、彼女...ケロナは恐らく


「ケロナが人間じゃない? どう言う意味だ?」


 俺の言葉にこう返してくるユージア。


「さっき彼女と触れ合った瞬間に感じてしまった...、彼女の中から何か凄まじい【巨悪の権化】の様な存在感があったんだ」


「【巨悪の権化】? それってまさか...」


「いや、恐らく【大帝】ではないと思う...、でも私が感じた感じではだと思う...」


「もしかして、ケロナちゃん達がマーカイルを倒せたのってそいつのおかげって事か?」


「可能性は否定できない、なぜならレベル140の私がこのザマだからね...」


 よくみてみると彼女の逞しい足が小刻みに震えているのが分かりました。


(ユージアが震え上がるほどの存在感か...、ケロナちゃん、君は一体何者なんだ?)


 そう思いながらも時は進み、遂に彼女達のチームとの決戦が行われるのでした。

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