第236話 とある依頼②

 〜ヤ◯ザの家〜


 ヤ◯ザの家を見たサラの第一声は...。


「うわ〜...おっきい!」


 でした。


 どう見ても家と言うよりは館とでも言ったほうがいいと思うが形式上家らしい。


 妹の声に強面の男達がギロッと睨んでくるのが怖すぎるようでエリーゼは完全に腰が引けていました。


 そして私の手を握りしめて小声でこう呟いてきます。


「お姉様...この人たち怖すぎです...」


 ぶるぶると震えながら、私の手を握って尻尾と耳をしゅんと下げている彼女はとっても可愛い。


(エリーゼ...、その表情と耳と尻尾の感じは卑怯だぞ...)


 思わず庇ってしまいたくなるほどの弱々しい姿は正直母性をくすぐられてしまう♡。


 もしかしたら私はこの愛くるしい姿を見る為だけに彼女を仲間にしたのかもしれない...。


 などとは思わないようにしよう。


 私がちょっとした天国にいる中、レイナは淡々と進んでいく。


「こちらが若頭の部屋です、レイナの姉御」


「はい」


 何故か姉御と呼ばれているが、レイナとヤ◯ザの人たちって初対面だよね? なんかレイナがこの組の女当主のようにさえ見えてきたんだけど...。


 まあ、その後は普通に若頭の部屋に入るレイナ。


「ごほっ...ごほっ...、そちらの人達は...?」


 凄く弱りきった若い男が布団の中からそう言ってくる。


「若! この人達の中にエルフがいるんです! 長寿で有名なエルフであれば若の奇病の正体が分かるかもしれません」


「そうか...、僕のためにエルフが...」


 ゆっくりと体を起こした彼の顔を見ると、サラが一番に反応する。


「わぁ...イケメンだぁ...」


 よだれを垂らしながら若頭の顔を見つめる妹を見ていると将来が少し不安になってしまう。


(いくらイケメンでもヤ◯ザの嫁になんか絶対にさせないからね! サラ!)

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