第356話 玩具箱の家②

 私達がダンジョンを攻略していると...。


「しっ! 静かに!」


 私の言葉と共に皆が声を潜める。


「何あれ? 玩具の兵隊さん?」


 サラが興味深そうに見ている者は玩具の兵隊でした。


「ええ...、どうやら奥に向かっているみたいね...」


「クンカクンカ...、あの兵隊達が向かう先にお姉様もいるみたいですね...」


 エリーゼの鼻と玩具の兵隊達の行き着く先が同じと言う事は...。


「あの先にケロナお姉ちゃんがいるって事!?」


 喜ぶサラに私は注意しました。


「気をつけなさい、もしかしたら罠かも知れないですから...」


 私の言葉に皆が息を呑む。


 そう、ここはダンジョンの中なのだ。


 一瞬の油断が死に繋がる。


 なので、私達はゆっくりと気付かれないように後を付ける事にしました。


 こんな時にプラルがいる事が凄くありがたいと感じます。


 多少声や音を漏らしても全く気が付かれないのは相当大きなアドバンテージとなっていました。


 特にエリーゼは結構足音がするので注意してほしいところです。


 意外にもサラはあまり足音がしないので少し驚いてしまう。


(この子...、いつもは注意して足音を聞いていなかったけど、意外と盗賊の才能もあるのかもね...)


 弟子の意外な素質に気がついた私は少し頬が緩んでしまうのでした。

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