第692話 【風帝】ライファー③

(水がダメなら...!)


「【ケロっとすぱ〜く☆】!」


 雷で反撃を試みます!


 しかし...。


「広範囲に攻撃しすぎだね、それも威力を落としすぎてるから当たっても全然痛くない」


 彼女はそう言いながら私に接近し、腹に蹴りを入れてきました!


「ガハッ!!」


 凄まじい衝撃が全身に襲いかかる!!


(痛いってレベルじゃない!! 回復魔法をかけながら受け止めないと確実に失神する!!)


 ダメージを受ける瞬間に回復をし始めたのが幸いでした。


 正直言って、そう何度も受け止められるダメージではありません。


 私はよろよろと立ち上がり息を整えます。


(回復が間に合ってよかった、そうでなければ恐らく)


 そう思えるだけの衝撃があそのグラマラスな体から繰り出された事になりますね。


 一体体のどこにそれだけの力があるのか聞きたくもなりますが、やはりそうも言ってられないのが現実です。


「あら? やっぱり1発じゃ決め決められなかったみたいね、でも大丈夫、私が2度と【帝王我ら】に立ち向かう気がなくなるほどの圧倒的戦力差を見せつけてあげるから、せいぜい楽しんでいってね」


(くるっ!!)


 余裕そうな笑みを浮かべているであろう彼女の姿を直視しないように距離を開ける私なのでした。

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