第691話 【風帝】ライファー②
彼女の容姿は見れば見るほど美しい...。
綺麗に伸びた緑の髪に緑の瞳...。
更には色々と際どい衣装に包まれたグラマラスな肢体が私の精神に作用している気がする...。
その時に気がついてしまった。
「...この感じ、
私の言葉に彼女はにっこりとした表情で笑みを浮かべる。
「よくわかったね、私の体に視線を向けると徐々に魅了が作用していくから気をつけてね」
「...」
(相手の体をできるだけ見ないようにしながら戦わないといけないのか...)
このレベル相手に相手の体を見ないで動かないといけないのは難易度が高すぎる!
さすがにずっと相手の体を見ないで戦うのは不可能なので、少しは見ないといけないでしょう。
(その見た瞬間に魅了が発動していって最後まで侵食され尽くしたら...)
それ以上は考えてはいけません。
ふうっと息を吐いて自分を落ち着かせながら彼女に魔法を放ってみる。
「【ケロっとすぱいらる☆】」
指をぱちっと鳴らし、彼女のいるであろう方向に水の螺旋を生み出す!
「なかなかの威力だね、でも...、私の敵じゃない」
彼女は私の水の軌道を風の魔法で押し返してきました。
それもあっさりと赤子の手を捻るかのように簡単に返されてしまっては焦るしかない。
(嘘でしょ...、まさか私の魔法をこんなにあっさりと返してくるなんて...)
しかも相手の体が見えない分、攻撃範囲内を広めに取る必要があり、無駄に魔法力を消費した上で威力も減ってしまっているのが原因でしょう。
いきなり理不尽な難易度を叩きつけてくる彼女の存在に、早くも詰みかけている私なのでした。
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