第215話 【死神】エルサ⑭

「「はぁぁぁ!!!」」


 涙目になりながらも剣を振るうエリーゼと魔力を込めて魔法を放つサラ。


 2人の技量を見たエルサはただ余裕の笑みを浮かべるのみ。


「2人合わせてその程度? これならレイナお姉ちゃんの方がよっぽど手強かった♡」


 そう言いながら片手でサラの魔法を打ち消し、素手でエリーゼの剣を受け止めました。


「「なっ!!」」


 2人とも驚いた拍子に動きが完全に止まってしまいます。


 エルサはそれを見逃すほど甘い相手ではない。


「隙がありすぎてエルサつまんない、だからさっさと殺してあげるね♡」


 ザシュッ!。


「がぁ...!」


 エリーゼの脇腹を鎌で薙ぎ払い致命傷を与える!。


「エリーゼ!」


 そう叫ぶサラの頭を掴んで思いっきり地面にぶつけ始めた!。


「ほらほら! 何とかしないと君も死んじゃうよ!!」


 バンっ! バンっ! バンっ! グジュ...。


「がっ! あっ! うっ...」


 だんだんと声が小さくなっていくサラの姿に、私は無力な自分が許せなくなる!。


(やめろ...もう妹を痛めつけるのはやめて...、誰か...!)


 目の前で妹が肉塊と化していく様を見ていることしかできない屈辱に、私は涙をこぼしてしまいます...。


 ...。


 心の中にまたあの黒いモヤがかかりの声が聞こえてきたのです...。


『どうしたケロナ...』


(...殺して)


『誰をだ?』


(目の前にいる妹を殺そうとしている女を殺して欲しい!!)


 私の願いに声は答えてくれました。


『良いだろう...、ただし対価として貴様の体を一部貰うぞ?』


 私はその問いに首を縦に振ります。


(良いよ、私の体の一部を対価にあいつを殺せるのなら...安い!)


 私は処分対象を睨みながら声に懇願するのでした。


(お願い...! エルサを殺して!!!)

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