　俺は大きな声で叫ぶケロナちゃんを見ている。

「あんたら何様のつもり？　確かにキィアは私達に負けたよ、でもそれが何？　あんたらが勝手に金をかけて散財しただけの事じゃないの！？　それをまるで他人の所為にして...！　性根が腐ってるんじゃない！？」

　彼女の言葉により、会場中の騒ぎが鎮火された。

「うぐっ...」

(凄い...、彼女のひと声でこの会場の雰囲気を変えてしまった...)

　普通なら逆ギレされて罵倒されるのがこう言う場所でのお決まりなのだが、彼女の場合その場にいた全員が何も言えないでいた。

(観客のほぼ全員がケロナちゃんの迫力に飲まれてる...)

　俺がそう思っている時に手を差し伸べてくれるたのはケロナちゃんだった。

「大丈夫か？　ひどい奴らだな、あんな奴らの言葉なんか聞いてちゃダメだぞ」

　そう言いながら回復魔法をかけてくれる優しいケロナちゃん。

「後でサラにも回復魔法をかけてもらうよ、あの子の方が私よりも数段上のレベルの回復魔法が使えるからね」

　そう言いながら後ろを向く彼女の姿に俺は女神様を見た...。

「【蒼女神（ケロナちゃん）】...」

「何？　まだどこか痛むの？」

「いや...、うん大丈夫...」

「そう...」

　俺は彼女の去り際を見ながらぽけ〜っと見惚れているのでした。

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