第322話 1人でゆっくり②
「はい、大福2つです!」
悩む私の前に2つの白い皮を被った大福が並びました。
「温かいお茶も備えておきますのでごゆっくり...」
湯煙をあげている緑色の優しい液体が大福の側に差し出される...。
(あ〜...! なんかこの並びいいなぁ...)
そう思った私はゆっくりと鑑賞した後に大福を頬張りました。
「もぐもぐ...」
程よい甘味が残るのでそれを温かいお茶で飲みこむととても美味しいと感じる...。
「はぁ...、美味しい...」
美味しい筈なのに何故でしょうか?。
少し物足りないような気がしてなりません。
(なんだろうか...この満たされない感じは...)
もう一つの大福を食べてみても、やはり物足りなさは残っていました。
(もしかして...、これより美味しい大福を食べた事があるのかな...)
この大福を食べていると、なんとなくそう思えてきました。
「ごちそうさま...」
私はお勘定を支払うと、そのまま店を出て町を一望できる場所から静かに時が流れるのを待っていると...。
「お姉ちゃん、誰かを待っているの?」
突然知らない声をかけられたので、びっくりした私は声の方向に向いてみるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます